日々が流れていく。風に吹かれて漂う浮雲のように。言い訳や弁解などは時間には無用である。日々は待ってもくれない。一時停止さえも眼中にない。何もなかったかのように無表情に生誕の喜びから旅路の果ての悲しみまで人を運んでいく。私たち凡庸な人間にはそれが定めと思っていても、悲しみから目をそらすために糊塗してしまう。強がりを言っても所詮いつも何かにおびえる弱い存在。そんな生命体がこの掛け替えのない地球で、もっと狭義に言えば、国や都市や町で、もっともっとミクロで見れば、企業や学校や家族内で、もみ合い、諍いを繰り返している。尤も皮肉的に言えば、それが人であることの証明であるかもしれないのだが。そんな愛すべきか弱い存在が先進国では急激に数を減らしている。人口増が成長の起爆剤とするならば、著しく正反対の方向に進んでいる。人を輸入すべきだという意見もあるが、欧州の国々のように今まで住んでいた人々との軋轢が生じる可能性が大きい。もっともアメリカのように最初から移民で構成された国ではそうでないのかもしれないが。しかしこの考えも昔から住み着いているアメリカの原住民や日本のアイヌの人たちにはどう解釈されるかわからない。鳳幼稚園の未来予想図は栄光だろうか、悲劇だろうかそれとも何も変わっていないだろうか。80有余年前の公立幼稚園としての創立期と今では幼稚園周辺や環境や教育内容が大きく変わってきました。鳳幼稚園の人間愛に満ちた三つ子の魂百までの教育方針、人としての本質をとらえた中心となる保育指針は変わっていませんが、その周辺では時代や環境の変化に対応して少なからず変わってきた。それぞれの時代にマッチしたものになってきたと思う。今年度から私たちは幼児教育という人間形成の重要な一翼を担うことになり、現在の環境、教育の現実、現場に会うような教育カリキュラムの設定に努力してきました。園児数も初年度から100名余りを保護者の皆様から託されてまいりました。本当に心強いご支援をいただいたことに対して心より感謝です。来年度は入園をご希望されますお子様すべてを迎え入れることができます様教職員一同話し合っています。私たちの今後の課題として園児数の増減にかかわらず、幼稚園が経営できる環境作り、子どもたちの持続可能な成長発達を促す保育指針の設定と具現化、そして子ども中心や保護者の目線に立った保育活動をより一層進めていく。そしてこれからの10年、20年さらには50年先を見据えた長期ビジョンを策定し、いつまでも鳳幼稚園がこの地で大きな活動や社会的貢献をし続けることを夢見ようとしている。企業の存亡がよく話題になります。それを他山の石と捉え、園児の皆さんがいる限り、皆さんの要望がある限り、そして卒園児がいる限り、鳳幼稚園はこの地に居続けることもまた自明の理となることでしょう。
さて、いよいよ夏休み、その年齢にあった夏休みは一生に一回だけ、安全、安心を心掛けていろいろな経験や体験をしましょう。私は子どもが眠りにつく前に、少しでも本を読むことを心掛けました。何か一つでもと思います。今年も昨年に引き続き節電が言われています。全ての物に節のつく行動を心掛けるのも一考かと思います。大きく成長するのもこの時期、元気いっぱい、先生も戸惑うくらいの変貌を遂げて、鳳幼稚園に帰ってくるのを楽しみにしています。
Bon Voyage しばしのお別れです。 愛しの皆さんへ